エンバーミングとは

最新の遺体保護の技術にはエンバーミング(エンバミング、エンバルミングともいう)という遺体保護技術があります。
これは遺体の血液を一部排出し、防腐剤を血管を通して浸透させる方法で、遺体に防腐処置を施す技術です。
IFSA(日本遺体衛生保全協会)によると「遺体に対し防腐性薬品もしくは消毒液を注入または外部塗布して、遺体の消毒あるいは保存を行い、あるいは病気等により容貌の変容した、もしくは事故等により破損・切断された遺体の復元のため、皮膚・形成処置をすること」とあります。
難しい言葉が並んでいますが、要は今までのドライアイスなどの冷温処置ではなく、血管から防腐剤を注入して腐敗の原因を元から断って保存しようという技術なのです。
日本は火葬率99・7%という火葬大国なので、そんなに長期間の保管を必要としないこともあって、エンバーミングはあまり流行っていませんが、葬儀まで、どうしても長期間時間がかかってしまうといった場合には非常に有用な技術です。

エンバーミングの利点は大きく分けて3つ

1つ目は、「修復」という視点です。
血液の一部を排出し、代わりに防腐剤を入れるので顔をふっくらさせたり、逆に体液量をコントロールすることによって、むくんだ状態を抑えることができます。
注入する防腐・殺菌用の液体も血色を出すために、ほんのり赤く着色されているので血色がよく見えます。
エンバーミングをすることで安らかなお顔にしてあげることができます。
2つ目は、「感染を抑える」ということです。
広くは知られていませんがMRsA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や、結核、B型肝炎など遺体は感染源になり得ると言われています。
ウイルスや細菌は人間の死後も生き続けるからです。
エンバーミングをすることによって、この種の菌は無くなりますから衛生的な状況で遺体に触れることができます。
亡くなられた方の看病などで、体力が弱った遺族を感染から守ることにもなります。
3つ目は、「保存・防腐」です。
エンバーミングをすることで、時間の経過を気にすることなく、ゆっくりご遺体と過ごすことができます。
ドライアイスを使う必要もありませんし、状況によっては長期(最長50日以内)の保存が可能です。

エンバーミングにはデメリットも

メリットがあればデメリットもあるというのが世の道理です。今度はエンバーミングをデメリットの面から見ていきましょう。
エンバーミングは、専門の施設で時間をかけて防腐処置を施します。
処置をする時、「親の身体を切られたり、血を入れ替えられたりするのは、家族としてあまりに忍びない」という意見もあります。
また処置のためには、どうしても専門の設備のある施設に連れて行かなくてはならないため、ご遺体と離れ離れになって大切な時間がとられます。
一番の大きな問題は火葬してしまうのに、そこまでの手間のかかる処置が必要かということです。
亡くなった後は、数日か、長くても10日後ぐらいまでに葬儀が行われ遺体は火葬されます。
数日であればドライアイスで適切に処置されていれば、遺体はほとんど大きな変化を起こしません。
納棺・冷蔵保管と組み合わせれば、最大で2週間ほどは大きな変化もなく遺体を保存できることも事実だからです。
もう1つの大きな理由は、経済性です。
エンバーミング自体は処置料金が1体につき15万~25万円、エンーバミング施設への搬送料金は別途かかりますが、これを含めるとだいたい20万~35万円ぐらいの処置料金になります。
ドライアイスの場合は、1日当たり8000~1万2000円か相場なので、仮に1週間保存したとしても7万円程度です。
こういった経済的なこともエンバーミングが大々的に普及しない要因の1つだと考えられます。

「エンバーミングを勧める会社がある」理由

経済的に負担が大きいなどにもかかわらず、なぜエンバーミングを勧める会社があるのでしょうか。
3つの理由があるように私は思うのです。
1つ目には、エンバーミングを導入するに当たって、その会社は設備としてのエンバーミングセンターを作り、大きな初期投資を行っているので後戻りできないという事情があります。
2つ目には、エンバーミングを推進することによって他社との差別化を図りたい、というねらいです。
3つ目には、エンバーミングを「利益を生む商品」として認識している葬儀社がいる、ということです。
会社の方針として、顧客にエンバーミングを勧めるようにと言われれば、葬儀社の担当といえども会社員ですから会社の方針に従うしかありません。
しかし、前に述べたようなエンバーミングが置かれている状況を理解すれば、エンバーミングを勧めるのはケースバイケースだということがお分かりになると思います。
エンバーミング自体は、非常に有効なシチュエーションを作り出します。
たとえば、遺族がどうしても仕事に穴を開けられない、自分が休むことで社会的にも多大な損失が生じるような場合に、葬儀のための時間か確保できる。
また、感染症で亡くなり、家族がご遺体に触れると危険な場合などは、「防腐」「感染防御」の側面からエンバーミングをすることによってよいお別れができるようになります。
エンバーミングは、そのご家族にとって必要かどうか判断して利用するかどうか決めるべきでしょう。
エンバーミングをサービスとして受けるに当たっては、担当する葬儀社がエンバーミングにふさわしい状況かどうか、しっかりと見分けられる経験値があるかどうかが大切です。
心に残る家族葬【http://www.sougiya.biz/】なら、エンバーミングにも精通しているので安心です。

エンバーミングの業界団体

IFSAは、ご遺体からの感染防御、エンバーミングの日本における適切な実施と普及を目的として作られた団体です。
ご遺体の尊厳を守り、大切なご家族の一員を亡くされたご遺族の悲しみを十分に配慮し、適切かつ安全で自由なお別れができる環境を作るために研究し、その実現のために活動しています。
IFSA

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